アメリカ企業への就活に向けて準備すること
卒業まであと一年以上ある…就活を本格的に始めるにはまだ早いけれど、何か準備できることはないか?
そんな学生さんのために、就活、修士論文/博士論文等で忙しくなる前にしておいた方が良いことをまとめました。
1. LinkedInのページをつくる
LinkedInとは、2020年4月現在200以上の国に6億人6千万人以上のユーザーがいる、世界最大級のビジネス特化型SNSです。その目的は、世界中のプロフェッショナル達を繋げ、より生産性を高めて成功に導こうというものです。
LinkedInを使う利点として以下の点が挙げられます。
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コネクションを拡げる
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求職情報を効率よく見つける
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就活情報を受け取る
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仕事のオファーを受け取る
自身のLinkedInページを充実させるには時間がかかるので、時間に余裕のある時に作ることをオススメします。最初にある程度作ってしまえば、新たなコネクションができた等、必要がある時に更新するだけなので楽になります。
2. コネクションを作る
アメリカでは特に、コネクションが直接就職に繋がることが多いです。しかしコネクションは短時間で広がるものではありません。そのために日頃からコネクションを広げることを意識しましょう。
具体的にどのように広げるとよいのかについては、コネクションの拡げ方を参考にしてください。
3. Elevator pitchを用意する
Elevator pitchとは、初めて出会った人に効果的に自分自身を知ってもらうために行う、短いスピーチのことです。
”Elevator pitch”といわれるのは、エレベーターに乗り込んでから降りるまでの30秒ほどの間に、同乗した人に対して行う自己紹介が由来になっています。
<< 用途 >>
キャリアフェアやネットワーキングイベント、紹介で人に会った時などにコネを拡げる時に使える他、就活の面接で始めによく聞かれる質問である、“Tell me about yourself” に対する回答としても使うことが出来ます。
<< 内容 >>
以下のことを順序よくまとめたものが一般的ですが、話す相手によっては内容を変える必要があります。
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名前
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所属と役職(もしくは課程)
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大学名、会社名…;Ph.D. student, M.S. student, senior scientist...
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何をしているか、研究内容(あれば)
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専門用語を出来るだけ控え、簡潔に仕事内容を伝える(相手が明らかにその分野に精通している場合を除く)。
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何が出来るのか
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上記の”何をしているのか”と絡めて、どんなスキルを持っているのか、何を達成してきたのかを伝える。
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この点は、就活においてはとても大事なセールスポイントになる。”どんなスキルを持って会社に貢献できるのか”を効果的に伝える様に意識するとよい。
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何をしたいのか
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就活中の場合はそのポジションで何をしたいのかを伝える。ポジション等はあまり特定せず、大まかに伝えたほうが良いことも。
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例) My name is XX, I'm a [Number] year Ph.D. student at [University], graduating in [Time]. I'm interested in XX. During my Ph.D. program in [Major], [My experience], where I developed skills in XX. I am seeking XX, and I'd love to learn more about opportunities in XX.
<< 注意点 >>
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早口にならない
時間内に話そうとばかりすると、原稿を読んでいるような印象を与えてしまいます。Elevator pitchの目的は、短時間でも自分のことを知ってもらうことであって、無事に原稿を読み終わることではありません。
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やりたくないことは言わない
限られている時間の中、出来るだけ良いポジティブな印象を持ってもらいたいところです。
そこで、例えば求職案件に応募している時は、応募理由としてやりたくないことや嫌いだという思いをモチベーションとして話すのではなく、自分のスキルややりたいことを伝え、前向きな内容にすることを意識します。
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自信を持って、相手の目をみて、伝える。にっこりフレンドリーであることも忘れずに!
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初めてリクルーターと話す時は緊張してうまく話せなかったりや質問できないことがよくあります。本番の時にそうならない様に、キャリアフェア等で実践練習をしておけると良いでしょう。
参考:キャリアフェアへの準備の仕方)
体験談 (長谷川)
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Elevator pitchをあらかじめ作っておくと、いきなり出会った人に何をしているのか聞かれた時でも、自信を持って自分のことを伝えることができた。
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長々と話してしまうと、相手を飽きさせ、会話が続かずに印象も悪くなる。あくまでも自分に興味を持ってもらい、後の会話に繋げることができればよし。20-30秒くらいで話すことを念頭に置き、会話を一人で占領しないようにしたい。
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Elevator pitchの長さを1分くらいと書いてあるものもあるが、私は1分間会話を占領するのに抵抗を覚えるため、30秒程度にまとめている。その代わりにあえて質問をしやすい隙間を残しておくように作り、質問された時に答えられる準備をしておく。
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何度フレーズを練習しても、実際に使うとつっかえてうまく流れるように言えなかったりもする。そのため、積極的にキャリアフェアやネットワーキングイベントに参加し、実践で使う経験を積むことが大事である。たとえ興味のある会社がなくても、自分をプレゼンするいい練習の機会だと思い、参加すると良いみたい。
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自分の専攻が多分野にまたがるものであるため、複数の分野の職業が考えられた。そのため、就活の際にはElevator pitchも複数種用意し、相手によって使い分けていた。
4. マスターResume、CVを用意する
ResumeやCVは、日本でいう履歴書に相当するものですが、フォーマットが自由で、書く内容も異なります。求職案件ごとに会社が求めている人材は異なるので、案件ごとに最適化した書類を作ることが必要となります。
そこで効率よく書類を作成するために、マスターResume、マスターCVを作ることをお勧めします。
マスターResumeやマスターCVでは、枚数制限を気にせずに全ての項目について思いつく限りを列挙します。実際に企業にアプライするときは、これらのマスターResumeやCVから企業が出した求職案件から必要な情報のみを取り出し清書します。
またこれらの書類を早くから作り始めることで、自分がより良いCandidateになるために、何が必要なのか意識して考え、残りの在学期間に必要な経験をするために行動できます。
参考:Resumeの作り方
5. 自分の学校のキャリアセンターの情報を追う
ネットワーキングイベント、キャリアフェア等のイベント情報は、学校のキャリアセンターのウェブサイトに掲載されることが多いので、早くからフォローしておくと良いでしょう。