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​出願校選び

出願校選びは合否だけでなく、将来を決める重要な要素です。ここでは、出願校選びの際に考えておきたい点や、アドバイスについてまとめました。

 

1. M.S.課程か Ph.D.課程か

米国の場合、M.S.課程(日本での修士に相当)は約2年、Ph.D.課程(日本での修士+博士一貫課程に相当)は約5年が必要です (*1)。M.S.課程には、授業のみを受講するコース (non-thesis)と、授業に加えて研究が必要なコース (thesis)があるので注意してください。Ph.D.課程は学士号を持っていれば出願が可能です。合格者数は、各大学、学部及び課程により異なります。例えば、Ph.D.と比べてM.S.の合格者数が多い学部や、M.S.はほとんど取らない学部があります。こうした情報は各大学の学部ホームページに載っています。

 

2. お金

米国大学院の授業料はおよそ年間$25,000-$50,000と非常に高額ですが、生活費や授業料が支給されることがほとんどです。しかし、専攻や課程によって全額支給されないこともあります。例えば、奨学金がほぼ全員に与えられる大学院もあれば、そうしたサポートが充実していない大学もあります。また、国によっても奨学金の充実度が異なることもあります。

 

3. 研究内容

研究内容は、M.S.課程の研究が必要なコースやPh.D.課程に進学するようであれば、最も熟慮すべき要因でしょう。自分のやりたい研究ができるか、その研究室で学生の受け入れ予定があるかなどを考慮して、出願校を決めてください。以下に、主な研究室の検索方法を記載します。

  • 興味のある大学のホームページを調べる。

  • 興味のある分野の論文の著者や引用文献を調べる。

  • 知り合いの先生に紹介してもらう。

 

大まかに志望校や志望研究室を決めたら、次はその先生に連絡を取りましょう。連絡の取り方は別の項目で書いているので、そちらを参照してください。

 

出願時に研究室を決めなくてもよい大学院もあります。

その場合、入学後に幾つかの研究室を経験して(lab rotation)、配属が決まります。ただ、希望の研究室が決まっており、その先生からの後押しがある場合、選考に有利だと言われています。その際、このことをSOPで書くといいでしょう。

 

4. 国

国によっては、各課程の期間や教育方針も大きく異なります。例えば、イギリスではPh.D.課程は3、4年間が一般的なようです。大学院生活の2−5年をその場所で過ごすので、留学先の気候も一つの判断要素でしょう。また、奨学金の充実度も国によって異なる場合があります。

 

5. ランキング

ランキング上位や知名度のある大学に行くことも、選択肢の一つです。TIMES等の世界ランキングに加えて、Ph.D.課程では、このページも参考になります。University of California-Davisの各分野のランキングレポートです。

 

たとえランキングが低い大学でも、素晴らしい研究を行っていることがあるので、ランキングを鵜呑みにすることはお勧めできません。

 

*1. 修士号を持っていないと入学できない、3年間のDoctoral degree(日本の博士課程に相当)もあります。

実例 1 (長谷川)

現在の大学院を選んだ第一の理由は、興味のある研究をしている研究室があったからだった。興味のある分野の論文を読んでいるときに、この研究室の存在を知った。また他の大学院に関しては、似た分野の授業を担当している先生から紹介されたり(これがコネとなり、教授との連絡が取りやすかった)、ランキング等の大学リストを使って、研究室をしらみつぶしに調べていった。

私は結局4校のPh.D.課程を受験した。推薦状をお願いした先生からは、もっと多くの大学院に受験するべきだとアドバイスを頂いたが(合格を決めるのは実力だけでなく、タイミングや運も必要だから)当時金銭的に厳しく、受験料がまかなえるのが4校までだった。Ph.D.課程を選んだ理由は、将来研究者になりたいということもあるが、M.S課程に比べてPh.D.課程の方が金銭面でのサポートが充実しているからでもある。

 

実例 2 (種田)

知り合いの先生に、自分の興味と一致した研究を行っている研究室を紹介してもらった。加えて、ランドグラント大学と言われる、農業関連の研究に力を入れている大学群のサイトや、興味のある論文から研究室を探した。これらの選択肢から特に興味のあった研究室の先生方にメールを送り、研究内容や教育方針から志望順位を決めた。最終的に出願したのは7大学9学部(同じ大学でも複数の学部に出願できることがある)のPh.D.課程であった。長谷川さんと同様の理由でPh.D.課程を選択した。

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